不動産の賃貸管理業に携わっている私にとって、「うそでしょ⁈」と耳を疑いたくなるような事件のニュースが報じられています。
風俗店として利用する目的を知りながら、うその書類を管理会社に送ってマンションの部屋を仲介したとして、東京の不動産会社社長が詐欺の疑いで警視庁に逮捕されました。(9月18日12:00)
いろいろ考えられない事件なので、私が疑問に思うところを挙げてみました。
利用目的にうそをつくとは?
そもそもの話しですが、風俗営業は許可制度なので、風俗店を開業するには、公安委員会の許可が必要です。
宅地建物取引士や賃貸不動産経営管理士の資格について勉強したことがある人なら、もちろん知っていますよね。
それに、賃貸物件は、その使用目的について必ず制限があります。
例えば、建物内の住環境を守るために住宅専用とし、店舗・事務所使用を制限していたり、事務所・店舗ではあるが、飲食店不可として業種等を制限されていたりなど。安易に自由に使用できるものではないのです。
それをわかっていて、うその書類を管理会社に出すなんて。他の入居者などから発覚し、後々トラブルになることは、賃貸管理業に詳しくない方でも容易に想像がつくと思います。うそは良くない!
仲介した?不動産業の仲介責任はとても重いものです!
仲介をしたという事は、媒介業務を行ったという事。つまり、借主に対して重要事項説明を行っているはずで、宅地建物取引士の記名、重要事項書面の交付をしているという事になります。
借主に対しては、使用制限があり、目的の使用ができないことを説明しなければなりませんし、異なる目的で使用することが分かっているのであれば、媒介(仲介)すべきではありません。
重要事項において、『風俗店として使用ができますよ』と説明をして契約締結をしていたら、更に問題です。
どちらにしても、仲介業者の仲介責任を果たしていないという点で、大きな問題になります。
偽の身分証を発行する「アリバイ会社」も紹介?!
「アリバイ会社」も紹介して手数料をもらっていたと報じられていますが、偽の身分証を発行するなんて、スパイ映画じゃあるまいし!と思うのは私だけでしょうか?
そんな会社があったとしても、当然、利用すべきではありません。
どんな身分証を用意したかはわかりませんが、入居審査に使用するとすれば、運転免許証、健康保険証、住民票、収入証明書のいずれかといったところだと思います。
まとめ
オーナー様も管理会社も、「空室」は早く入居者を見つけたいと願っていますが、入居後のトラブルを考えると、誰にでもというわけにはいかない。そのために管理会社は、入居審査を厳正に行わなければなりません。
そこに夜職の方たちに向けられる偏見が、いまだ残っていて、審査に通りづらいという事はあるかもしれません。
しかし、うそはいけません。うそは必ずばれます。だって、うそなんですから。
不動産仲介に携わっていて、そんなことはわかっていたでしょうに。
【正直不動産】というドラマがありましたね。
公平・公正に、そして正直に仕事していきたいものです。
仕事に限らず!でした。
では、また。