筋トレやダイエットに取り組んでいる人なら、何らかの食事管理はしているかな?
例えば、夜は炭水化物を少な目にするとか、サラダチキンでタンパク質をとるとか。
毎日の食事を高たんぱく・低脂質なものにしましょう。食事と適度な運動で健康的な身体を維持しましょう。というようなことを耳にしたことはありますよね。
これは、三大栄養素であるタンパク質、脂質、炭水化物の摂取バランスを管理する「マクロ管理法」と呼ばれるものの一部です。
さて、この「マクロ管理法」は、筋トレやダイエットを行っていない人には関係ないのでしょうか?
健康的でバランスの取れた食事は、筋トレやダイエットに関係なく、全ての人に求められるものです。
三大栄養素の他の栄養素、ビタミンやミネラルなども含めてバランス良く摂取することが望ましいことは言うまでもありません。しかし、これらのバランスを考えて、毎日の食事をコントロールするのって大変じゃありませんか?
私はサラリーマン生活を送る中で、朝はコーヒーだけ、昼はコンビニの弁当やファーストフード、ラーメンなど、夜は晩酌のお供に揚げ物やおつまみ類といった食生活を30年近く送ってきました。
バランスなんて気にしたこともなくて、その結果、体脂肪率30%近くの肥満体型のまま過ごしてきてしまいました。
ダイエットの為に筋トレを始めて3年ほど経過した今頃になって、食事管理の重要性に気付き、食事管理について勉強を始めた次第です。
そして、『タンパク質が足りていない』ということに衝撃を覚えました。普段通りの食事からだけでは、タンパク質の摂取量が足りず、どんどん痩せにくい体になってたなんて思いもしていませんでした。
筋トレやダイエットを行っていない人にとっても、タンパク質の摂取不足は避けた方がいいと言えます。
そこで、マクロ管理法の考え方は、筋トレやダイエットに取り組む人だけではなく、全ての人々が知識として持っていても良いのではないでしょうか。というわけで、マクロ管理法について、ご紹介させていただきます。
マクロ管理法とは
タンパク質、脂質、炭水化物の三大栄養素のことをマクロ栄養素と言います。
マクロ管理法とは、このマクロ栄養素の1日の摂取量のバランスを、目的に合せて管理する方法のことを言います。
ところで、マクロ栄養素の役割って覚えてますか?
たぶん、学生の頃、授業で学んだはずなのですが、私は覚えていません。ここで、おさらいしておきましょう。
- タンパク質:タンパク質は、筋肉、皮膚、髪、爪などの体組織を構築しています。筋トレなどで傷ついた筋繊維の修復にも使用されます。また、酵素やホルモン、免疫物質などの生成にも関わり、生命維持に不可欠な役割を担っています。タンパク質は1グラムあたり約4キロカロリーのエネルギーを持ち、肉、魚、卵、豆類、豆腐などに豊富に含まれています 。
- 脂質:脂質は、エネルギー貯蔵の役割の他に、ホルモンバランスの維持、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、Kなど)の吸収を助ける働きと、細胞膜を構成するなどの重要な機能があります。効率の良いエネルギー源であり、1グラムあたり約9キロカロリーと、他のマクロ栄養素の2倍以上のエネルギー量を持ちます。バター、油、アボカド、ナッツ、脂肪の多い魚や肉などに多く含まれています。
- 炭水化物:炭水化物は、特に脳や筋肉を動かすための重要なエネルギー源であり、燃料です。タンパク質と同様に、1グラムあたり約4キロカロリーのエネルギーを持ち、主食である米などの全粒穀物、果物、野菜、豆類などに豊富に含まれています。また、食物繊維も炭水化物の一種であり、消化を助け、満腹感を維持するのに役立ちます。
マクロ管理法とカロリー管理
ダイエットを目的としたときに最初に思い当たるのは、「カロリー管理」でしょう。
1日の摂取カロリーを消費カロリー以下にして「カロリー赤字」とすることで、不足するカロリー分を体内脂肪などから消費し、体重を減少させるダイエット方法です。
このカロリー赤字だけにスポットを当てて考えると、単純に食事量を減らせば良いと思ってしまいます。
ダイエットを始めたばかりの頃の私は、正にそうでした。しかし、これは悪循環の始まりなのです。
カロリーの不足分は体内脂肪からだけでなく、筋肉からも消費されるんです。そして、筋肉量が落ちると基礎代謝量も減少します。
つまり、1日の消費カロリーも減り、たいして食べてないのに体重は減らないという状態になります。
更に、この状態で筋トレを行うと、修復のためのタンパク質が足りないため、疲れやすく、回復も遅く、筋肉も成長しません。
では、筋トレもダイエットも行っていない人はどうでしょうか?
職種によって活動量は異なりますが、年齢とともに筋肉量も減少していき、太りやすく瘦せにくい体に近づいていくのではないでしょうか。
理想としては、筋肉量を維持し、基礎代謝量を高い状態に保つことが望ましいのではないでしょうか。
マクロ管理法の実践例
マクロ管理法を実践するための手順は、割と簡単です。
- 自分の基礎代謝量を調べる
- 1日の消費カロリー量を計算する
- 目標に合せてマクロ栄養素の摂取割合を設定する
- 設定した割合となるように、1日の食事を行う
- 体調や体重の変化を見ながら摂取割合を微調整する
食品のマクロ栄養素含有量は商品のパッケージに表示されているので、覚えておく必要はありません。が、各栄養素を目標の摂取割合に近づけるメニューを考えるためには、お勉強も必要かもしれません。
私は、筋トレを目標に考えているので、とにかくタンパク質の摂取量を重視して献立を考えるようにしています。
他の栄養素が目標割合を多少超えてしまうのは、「まぁいいか」と思うようにしてます。
それでは、具体的に計算してみましょう。
1.自分の基礎代謝量を調べる
基礎代謝量の計算方法(ハリス・ベネディクト方程式)※CASIOの生活や実務に役立つ計算サイトより
- 男性: 13.397×体重kg+4.799×身長cm−5.677×年齢+88.362
- 女性: 9.247×体重kg+3.098×身長cm−4.33×年齢+447.593
計算サイトで年齢、性別、体重を入力して計算することもできます。私の場合は約1,660㎉でした。
2.1日の消費カロリー量を計算する
算出した基礎代謝量に身体活動レベルの係数をかけます。身体活動レベルの係数は、
- (Ⅰ)1日の大半を静的な活動が中心の場合=1.40~1.60
- (Ⅱ)普通の活動量の場合=1.60~1.90
- (Ⅲ)移動や立ち仕事が多かったり、運動してるなど活発な場合:1.90~2.20
私の場合、(Ⅱ)の範囲で、仮に1.60で計算すると、
1660×1.60=約2,650㎉
となりました。
3.目標に合せてマクロ栄養素の摂取割合を設定する
- タンパク質:10~35%
- 脂質:20~35%
- 炭水化物:45~65%
私の目的(筋トレ)で設定するなら、タンパク質多め、脂質少な目を設定します。
仮に、タンパク質30%、脂質25%、炭水化物45%とした場合、
- タンパク質:795㎉、198.75g
- 脂質:662.5㎉、73.61g
- 炭水化物:1192.5㎉、298.12g
となります。
4.設定した割合となるように、1日の食事を行う
1日の消費カロリー量を超えない様に注意します。更に言うと、マクロ栄養素のバランスが極端に偏らないようにも注意しないといけません。
また、日中に忙しくて食事が十分に出来なかったからと言って、夜、取り戻そうとしてもいけません。
これらに注意すると、必然的に朝食と昼食で1日に必要なカロリーの大半を摂っておくことに意識が働きます。
5.体調や体重の変化を見ながら摂取割合を微調整する
マクロ栄養素だけでなく、身体にはビタミンやミネラルなども必要です。
偏った食事にならないように、そして体重や体調の変化に合せて、割合を微調整していきましょう。
最後に、タンパク質をプロテインで補給する
マクロ栄養素の摂取割合から、目標とする摂取量を計算すると、私の場合、1日約198gが目標となりました。
最近は、プロテインバーやサラダチキンなど、高たんぱくな食品が容易に食べられます。しかし、サラダチキンでも100gあたり20g前後。1日の目標までサラダチキンだと900gも食べないといけない計算になってしまいます。
他の食品で同等のタンパク質を摂取しようと思ったら、どれだけの量を食べることになることか。
量的にも費用面でも、継続することは考えにくいと思いませんか?
そこでプロテインを利用する事が現実的だと思うのです。
私はホエイプロテインを定期購入し、毎日、水筒で持ち歩き、こまめに飲むことでタンパク質の摂取量をコントロールするようにしています。
食事管理について考える前の私は、運動をしないのにプロテインを飲むと太ると思っていました。
私と同じように勘違いしている人は多いでしょうね。私の会社の人にプロテインを飲んでいる話をしたら「痩せたいのにプロテインを飲んだら逆効果じゃないですか!」と真剣な顔で驚かれましたからね。
筋肉が落ちて基礎代謝が落ちないようにする。
そのために筋肉の修復に必要なタンパク質が不足しないように摂取する。
食事からだけで足りない分はプロテインで補給する。
サプリメントを飲むのと変わらないんじゃないかな?
さぁ、あなたも試してみませんか?
それでは、また。