こんにちは。50歳以上からでも自己成長出来る事を証明したいと思っているはるちゃんです。
今回は私が警察官当時に経験した事から教訓となった事をご紹介したいと思います。
それは、地震に備えるという事!
この記事を読んだ人には、地震への備えについて改めて考え、身を護る事、そして普段から出来る事を考えて行動に移して欲しいと思います。
では。
災害に対して恐怖心が足りなかった幼少期
災害に備える事の大切さを語る前に、私の幼少期のことを少し語らせて下さい。
私が生まれ育った長崎県にある五島列島という地は、地震が殆どありませんでした。
自然災害と言えば台風くらいのもので、強風と高潮で船や家屋、沿岸部の道路の被害が主でした。
台風対策などに追われる大人を尻目に、子供たちはというと、高潮で荒れた海で遊んでいたりしたものです。
どれだけ自然を甘く見ていたのかと、今考えたら恐ろしく思いますが、正直に言って、災害に会う恐怖心はほとんど感じていなかったように思います。
上京して地震を体験しても警戒心を抱くことはなかった
高校卒業と同時に上京し、警察学校へ入学しました。
学校の敷地内にある寮生活の中で、地面が揺れるということを体験しました。(初めて意識したといった方が正しいかもしれません)
震度1から2程度の地震を何度も経験するうちに、「またか」と、地震に対して慣れたという感覚があり、地震で災害が起こるという警戒心を持つことはありませんでした。
1995年1月17日(火曜日)兵庫県南部地震の発生、阪神淡路大震災への救援派遣
警視庁機動隊に勤務して1年目。前日の16日(月曜日)は非番、当日は休みでした。
17日の朝、私は外出する予定があったため寮の外出簿に記載していると、私が所属するレスキュー隊の筆頭の先輩が飛んできました。
先輩:お前、何やってんだ!ニュースを見てないのか!
私:え?ニュースってなんのことですか?
外出簿が置いてあるのは、寮の当直室。私が当直室のテレビに目をやると、そこに映っていたのは、高速道路や建物が倒壊した光景が映し出されていました。
先輩:お前はすぐに3日分の下着をもって待機しろ!
私:いえ、私はこれから約束が・・・。
先輩:お前もレスキュー隊員だろうが!出動するかも知れないからすぐに準備しろ!
そう言って先輩に首根っこをつかまれ、私の部屋へ。そして先輩は他の部屋にいる隊員に声をかけながら自身の準備をしに自室へと向かったのでした。
時間は午前7時30分頃のことだったと思います。
先輩に言われた通り、下着3日分とタオルをリュックに入れ、隊舎に行くと、その日の日勤部隊の出動と重なり、あわただしい怒鳴り声が飛び交っていました。
本庁からの無線指令を聞きながら、震災地へはどの部隊を派遣するのか。輸送はどうするのか。派遣部隊の編成は?
もう一度書きますが、私は機動隊員となって1年目の新隊員でした。上司や先輩のそんな会話を聞いても、どうしたらいいのかわかりません。
そんな私を見つけて別の先輩が、「おい!レスキュー車に乗ってる装備品を確認して降ろしとけ!あと輸送車両に給油するから誘導しろ!」
時間が経つのを忘れるほど、あたふたと装備品を下ろし、空気ボンベの残量やらロープ類の積載量やらを確認し、給油のための車両の誘導、そして呼び出されて出勤してきた先輩たちの服と装備品の準備に奔走しました。
お昼を過ぎてレスキュー隊員の資格所有者の名簿が本庁から取り寄せられていると聞かされ、いよいよ出動となり、私の隊からは3名を第1次として派遣することを聞きました。
その3名に私の名前はありませんでした。
震災による被害の壮絶さを知って
警察官は、身分上において警察官であると教えられます。
制服を着ていなくても、休日を過ごしているときも、夜休んでいるときも警察官であり公僕であると教え込まれます。たとえ休日であっても、それは待機なのだと。
震災の当日、午後も3時を過ぎてから通常の待機を命じられました。
着替えを詰めたリュックを持って寮の自室に戻り、テレビをつけると被害を報じるニュースが流れていました。
この時になってやっと、普段体験している震度1〜2程度の揺れが、もっと大きな揺れだったらと思い、恐ろしく感じたことを思いだします。
さらに、1次派遣から帰ってきた先輩たちに現地の様子を聞こうとしたところ、口にすることはできないと断られ、その後も語られることはありませんでした。
そのことからも、とても壮絶な状況だったことが伺い知れました。
その後も警視庁からは復興支援部隊を編成し、幾度も派遣していますが、私自身は別の用件のため、派遣されることはありませんでした。
身の回りの備えについての教訓
何事も「慣れ」というのは厄介です。気持ちにゆとりが出来るといういい部分もありますが、油断を招くこともあります。
今では自宅や仕事先に防災用品を備え付けておく事が当たり前となりました。
ただ、多くのものを持って避難することはできません。
一つにまとめておいた方が良いのか、持ち運ぶことを前提に小分けに分けて備えておいた方が良いのか。
どれほどの量を備えておいた方が良いのかは、家族構成や住んでいる建物によって異なるものだと思います。
ですが、これだけは常に身の回りに備えておきたいと思えるものもあります。それは靴と大きめのタオル。
第1次派遣で出動した先輩から、足元が悪く、歩くのに大変苦労したという話を聞きました。
万一、震災が発生した場合、避難するにも救援に向かうにも、移動する足元にガラス片や瓦礫が散乱する中で、履物が必要となります。
防災用品の備えと併せて、身近な場所に靴やスリッパなどの履物を備えておくと安心です。
また、大きめのタオルはいろいろなことに役立ちます。
汗を拭いたり傷を抑えたり、物を運んだりといった事にも使えます。手元に1枚あると重宝しますよ。
最後に
いざ、その時になったら、平常心を保つのは困難です。
どんな備えも平常心を欠いた状況では、予定した通りの行動をとることは困難でしょう。
防災訓練や、備品だけでなく、心も備えるという事が重要になります。
アドラー心理学によると、行動と一部の感情には目的があります。目的に感情が向くと行動がついてくる。その逆も同様に行動すると感情がついてくると言います。
防災を意識するなら伴う行動を。意識することが苦手なら、まずは行動から始めてみてはいかがでしょうか。
では、また。